2011年7月25日月曜日

ベラルーシの研究では 「セシウム は全身の筋肉に平均して分布(蓄積)するのではなく、 内臓に多く蓄積する。特に心臓、腎臓、肝臓に多く蓄積する

ベラルーシの部屋ブログさんから

内臓に蓄積するセシウム

2011-07-16 | 放射能関連情報 セシウムについてですが、
ICRP(国際放射線防護委員会)等は筋肉など全身に分布する、としており、
日本の学者にも同意見の人がいます。
しかし、ベラルーシの研究では「セシウムは全身の筋肉に平均して分布(蓄積)するのではなく、
内臓に多く蓄積する。特に心臓、腎臓、肝臓に多く蓄積する。」
とされています。
このことについてもう少し詳しくご紹介したいと思います。(気が滅入るのですが・・・。)

もともとどの内臓にセシウムが蓄積するのかを測定するのはとても難しいものです。それを測る特別なホールボディカウンタがありますが、ベラルーシには1台もありません。ウクライナにはあるそうです。
しかしこれは精巧な測定ができるものではありません。だいたい
「胸部には○○ベクレル」「腹部には○○ベクレル」という結果しか出せません。
つまりそれを使って測定したとしても、特に腹部には内臓がいくつもあるので、腹部にあるどの内蔵に具体的にどれぐらいのセシウムが蓄積しているのかまで分からないのです。

動物(ラット)に放射線をあてたエサを与え続け、それから解剖して内臓の中のセシウムを測定する実験も行われましたが、同じことを人間でするのは人道上問題があります。
(この実験の結果でもラットでは心臓が最高のセシウム濃度で、最小のセシウム濃度は骨と筋肉組織に見られたそうです。これは以下に述べる「人体に入った放射性セシウムの医学的影響」という著書からの引用です。)

しかしベラルーシのゴメリ医大では内臓に蓄積されたセシウム137をかなり正確に測定することができました。
それは、ゴメリ市で病死した人(大人も子どもも含む)を解剖して、内臓をそれぞれ取り出してから、個々に測定し1キロ当たりのベクレルを計算して、また内蔵を元の場所に戻し、縫い合わせて遺族に返す、ということを行ったからです。

1997年に死亡した大人と子どもの内臓のセシウム137の分布については元ゴメリ医大の学長だったバンダジェフスキー氏が発表した「人体に入った放射性セシウムの医学的影響」という著書(日本語に訳されています。)で、発表されています。
それによると、大人は比較的平均してセシウムが内臓に分布するのですが、子どもはとびぬけて甲状腺に高い値のセシウムが蓄積しています。1キロあたり1200ベクレルです。大人では約400ベクレルです。

このほか大人は蓄積が少ないのに、子どもは多い、という内臓は心筋(大人約150ベクレル、子ども約600ベクレル)、小腸(大人300ベクレル弱、子どもは700ベクレル弱)です。

このほか、心臓や血管の病気で死亡した人の心筋と、消化器官の病気で死亡した人の心筋を比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。

伝染病で死亡した人と、血管と消化器官の病気(主に胃と十二指腸の潰瘍)で死亡した人の肝臓、胃、小腸、すい臓と比べると、前者のほうが多くのセシウム137の蓄積が見られました。

このような病死者の死体解剖による個別の内臓のセシウム測定は、世界的にも珍しいです。
検体になりうる人がたくさんいたベラルーシだからできたことではないでしょうか。

しかし、私はこの記事を書いていると気が滅入ってくるのです。
将来、医学や科学のために、あるいは後世の人のための情報として、有益な情報だと思ってこのような測定が行われたのは理解できますし、貴重なデータを大切にしたいと思います。
しかし、今後日本で同様の研究を医学や科学や後世の人のために行うとすると・・・どうでしょうか?
被曝した日本人が亡くなられた後に検体になってしまうのでしょうか。
大規模な原発事故が起きてしまったのですから、日本でも検体になりうる方が増えてくる、ということです。
科学のため、後世の人のため、と割り切ることができれば、自分の体を死後、研究のために差し出す人も出てくるでしょう。そのデータが、やがて生かされ、世界にも発信され、今皆さんが「ベラルーシの場合はこうだったのだな。」と思いながらこの記事を読まれているように、やがて世界の人が「日本の場合はこうだったのだな。」と読まれるようになるのか・・・と思います。
医学の進歩は必要、しかし・・・と私は思ってしまいます。 

日本では今後どうなるのか分かりません。
とにかく以前ベラルーシで内臓のセシウム測定のため解剖された人たちがいた、その中には子どもも含まれていた、ということを忘れてほしくないです・・・。
鎮魂と言う言葉が胸の中に浮かびます。
この測定実験の検体となった方々の魂にお祈りしたいです。

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