2012年4月7日土曜日

福島の36地点でストロンチウム


ストロンチウム、462兆ベクレルが海に流出2011年12月18日



東京電力福島第一原発から事故後、海洋に放出された放射性ストロンチウムの
総量は、少なくとも約462兆ベクレルになることが朝日新聞の試算でわかった。
水産庁は魚介類への蓄積を調べるサンプリング調査の強化を検討している。



試算は東電などが発表した資料をもとに行った。
4月に2号機、5月に3号機から流出した放射能汚染水については、流出源である両号機の建屋内のたまり水に含まれる放射性ストロンチウムの濃度を、流出した水の体積にかけて算出。これらに、今月4日に流出が確認された処理水に含まれていたと見られるストロンチウムの量を足し合わせた。大気から海への降下量は含まれていない。
東電は4~5月に海に流出した汚染水中の放射性ヨウ素とセシウムの総量を推定約4720兆ベクレルと発表した。ストロンチウムの量はその約1割に相当する。
2012年4月5日(木)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。ストロンチウム汚染水が12トン海に漏れたことについて言及しています。


▼20120405 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
=====(文字おこし、続き)
※「藤村官房長官「地元の同意は前提条件にならない」ーー「事故が身を以って教えてくれている。それを学べない政治家たちだとすれば落選させるしかない」小出裕章 4/5(1)」からの続きです。
千葉「はい。…では次の質問、まいります。えーと次はですね。福島第一原発4号機の近くにあるパイプが外れて、高い濃度の放射性ストロンチウムを含む汚染水が漏れて、ほとんどが海に流れ出たと見られる、というニュースが入ってきました」
『東京電力福島第一原子力発電所で、5日朝、配管の接合部分が外れて高い濃度の放射性ストロンチウムを含む汚染水が漏れ出て、一部が海に流出したことを受けて、国の原子力安全・保安院は東京電力を厳重注意するとともに、配管の接合部分を総点検し再発防止策をとるよう指示しました。 ...』
小出「はい」
千葉「漏れた量は12トンということなんですが。ここちょっと、改めてお伺いしますが、このストロンチウムとはどんな物質、なんでしょうか」
小出「え…ウランが核分裂してできる時…の、代表的な核分裂生成物というのがいくつかありまして。」
千葉「はい」
小出「え…1つは、今わたしも含めて1番気にしているセシウム137という放射性物質なのですが。それとほとんど、等しい量ができる、というのが、ストロンチウム90という放射性物質でして」
千葉「はい」
小出「人体に対する危険度で言えば、セシウムの何倍かは高いと考えられている猛毒の放射性物質、です」
千葉「はい」
小出「ただし、揮発性が余り無い、ために、福島第一原子力発電所の事故でも、セシウムは大量に大気中に出てきたのですが、ストロンチウムは大気中には出てこなかった…のです。多分まあ割合で言えば1000分の1ぐらいしか大気中には出てこなかったと、思います。で、ただ、逆に、水には溶けやすい、し、え、なかなか水から捕捉しにくいという性質を持っていますので。え…水、をまあ今、浄化系というのを通して、セシウムを捕まえてはいるのですけれども。ストロンチウムはほとんど浄化もできないまま汚染水の中に、もど、残り続けてきてしまっているのです。え、それがまあ漏れてしまったと、いうことで。これからどんどん深刻な問題になると思います」
千葉「え…あの、今回、その、大部分が海へ流れ出したということなんですけれども」
小出「はい」
千葉「量も12トンということで、まあ、どんな影響が考えられますか」
小出「ええっと。実はこの、今、マスコミというかですね、今日の報道ではその12トンが漏れたから大変だということになってるわけですねえ」
千葉「ええ」
小出「もちろん私はそれは大変だと思いますし、え…循環冷却ということ、をやることの困難さを今、それ、今回のことが示したとも思うのですけれども。」
千葉「はい」
小出「実はもう、毎日、漏れているのです。」
千葉「う…」
小出「はい。福島第一原子力発電所の敷地の中には、かつて12万トンを超える汚染水が存在していると、言われていました」
千葉「ええ」
小出「それは原子炉建屋の地下であるとか、タービン建屋の地下であるとか、トレンチピット、立坑というところに溜まっているのですね」
千葉「はい」
小出「今現在もそうです。」
千葉「はい」
小出「で、ただし、そういう構造物というのは、コンクリートで出来ている、のです。」
千葉「ええ」
小出「え…コンクリートというのは、必ずひび割れています。」
千葉「はい」
小出「漏れが無いコンクリートの構造物ってのはないわけで。もう、毎日毎日漏れている、のです。ですから私は去年の3月、事故が起きた直後から、コンクリートの構造物の中に溜まっている汚染水は、漏れのない安全な場所に移さなければいけないと、発言を続けてきました。」
千葉「はい。おっしゃってましたねえ」
小出「はい。で、それは、私のまあ頭に描いたのは、巨大タンカーを連れてきて、それにとにかく移す、というのがいいということで、発言をして。たね蒔きジャーナルの番組の中でも、何人かの政治家の人たちと話をさせていただきました」
千葉「ええ、ええ」
小出「そしてその政治家の方々は、皆さん、そうだ、って認めてくださって。え…それは政治の力でやる、とおっしゃってくださったのですけども。結局何も出来ないまま、汚染水がコンクリート構造物の中に放置され続けてきて、います。」
千葉「はい」
小出「もちろん、もう、毎日毎日漏れているということなの、です」
千葉「じゃあ、もうやっぱり根本的に、その、漏れないところに水を移さない限り、」
小出「はい」
千葉「ずうーっと水は漏れ続けるということな、わけですねえ」
小出「そうです。そうです。管理ができない状態で、漏れてきたし、これからも、漏れてしまうということです」
千葉「ふーん。じゃあ、こういう所で改めて12トン漏れたからって驚いている場合ではないわけですね」
小出「はい。そういうことです」
千葉「ふあー。わかりました。えー…今日もスタジオにですね、実は、たくさん質問メールも届いてますので、これを順番にお聞きしていきたいと思います。まずですね、大阪府にお住まいのラジオネームオルソンさんという方からのメールの質問です。この、汚染水漏れの問題なんですけども、入れ続けている冷却水に入浴剤のような色をつける染色剤を入れてみたら、漏れている場所がハッキリわかると思うんですが。そんなことをするととてつもなく危険な反応、例えば爆発したり、パイプが詰まったりとかする可能性が、あるのでしょうか、という質問なんですが」
小出「え…爆発はしたりすることはないと思いますけれども」
千葉「はい」
小出「多分漏れというのはそこらじゅうで漏れてますので」
千葉「ええ」
小出「染色したところで、んー、どこまで有効な手立てになるのかなと思いますし。え…まあ、東京電力の方では漏れというのをむしろ見つけたくないと思ってる、わけですね」
千葉「なるほど、はい」
小出「漏れてるなんてことは、ないと、むしろ彼らは言いたいわけですから。彼らとしては、そういう手段は嫌がるだろうと思います」
千葉「あーー…それでまあ、あの、危険というところはあんまり考えられないんだけど。」
小出「はい」
千葉「それが実現する可能性としては結構低そうな感じですね」
小出「でも、良い提案だと思いますので、東京電力にやらせたらいいと思います」
千葉「はい。続いてじゃあ、こちらの質問参ります。こちらは、ラジオネームぽんちさんという方ですね。神奈川県にお住まいの方です。え…食品の放射性物質の検査ですが。セシウムばかりの話が多いんですが。プルトニウム、ウラン、ストロンチウムなどの、その他の検査はなぜ話に持ち上がらないんでしょうか。という質問です」
小出「え…本当はやらなければいけない、のです。え…ただし、ストロンチウム、あるいはプルトニウムというものの分析というのは、セシウムの分析に比べて、はるかに手間がかかります」
千葉「はい」
小出「え…100倍、1000倍というぐらいに、手間暇がかかるという、そういう測定法ですので。え…今やってるセシウムと同じぐらいの、う……ん……厳密さというか」
千葉「はい」
小出「まあ、今でも厳密だと私は思いませんけれども。セシウムに匹敵するような測定をするということはなかなか難しいだろうと、思います。で、その上で、今も少し聞いていただきましたが、ストロンチウムという放射性物質は、セシウムよりも本来は危険ですけれども」
千葉「はい」
小出「でも、放出されてきた量が、圧倒的に少ないですので。私たち、の、被曝という意味で言えば、何よりもやはりセシウムに注意をしておかなければいけないと、私も思い、ます。え…プルトニウムもそうです。え…猛毒な放射性物質ですけれども。放出された量が、セシウムよりもはるかに少ないので。今は、とにかくセシウムに気をつけなければいけないと、いうことだと私は思います。え…でももちろん、測定はやったほうがいい、し、これから海洋が、海が汚れてきますので、その時にはストロンチウムが、むしろセシウムより問題になる可能性があると思います。え…しっかりと分析体制を作るべきだ、と思います」
千葉「うん…本来はもう測ったほうがいいもの」
小出「はい」
千葉「なんだけれども、そこまで手が回ってないってのが」
小出「そうです。はい」
千葉「現状だということですね」
小出「はい。おっしゃるとおりです」
千葉「はい。わかりました。」
小出「はい」
千葉「小出さんどうもありがとうございました」
近藤「ありがとうございました」
小出「ありがとうございました」
=====(文字おこし、ここまで)


福島の36地点でストロンチウム

 福島県は6日、東京電力福島第1原発事故を受けて、県内55地点の土壌を調査したところ、県沿岸部、県中部の36地点で事故以前の濃度の平均値を上回る放射性ストロンチウムを検出したと発表した。原発事故の影響が考えられるが、県は人体に影響のないレベルとしている。
 放射性ストロンチウムは骨にたまりやすく、体内に大量に取り込むとがんの原因となる恐れがある。米ソなどが大気圏内核実験を行っていた1970年代には国内でより
高濃度のストロンチウムが検出されたこともある。
 県によると、第1原発が立地する大熊町の1地点でストロンチウム90を1キログラムあたり80・8ベクレル、双葉町の1地点で同14・9ベクレルを検出した。34地点では濃度の平均値が2005年の測定値を上回った。
 調査は昨年7~10月に実施。文部科学省も昨年、同様の調査結果を発表している。






横浜のストロンチウムと子供の守り方(緊急の2)






横浜でストロンチウムが検出され、多くの人が心配しています。

原子炉の中ではセシウムとストロンチウムが同じく6%程度できます。そして半減期もほぼ同じで30年。ベータ線をだし、おそらくは原子炉から吹き出すときには酸化物で、やがて水酸化物になり水に溶解していくというところまで似ています。さらには比重は3.5から4ぐらいですから何から何まで双子の兄弟と言ってよいでしょう。

ところがこれまではセシウムが何十万ベクレルという高濃度で発見されているのに、ストロンチウムはその100分の1にもなりませんでした。原子炉の中では同じようにでき、性質も似ているのになぜストロンチウムが観測されないのか? チェルノブイリの時にも10分の1はあったのになぜ無いのか? 本来ならあるべきストロンチウムが極微量しか検出されなかったことが問題だったのです。

すでに国民の多くは政府やマスコミが積極的に国民を守ろうと思っていないことを知っているので、政府が「なぜ、ストロンチウムは無いのか?」の説明をすることを期待していません。それより「おそらくは隠しているのだろう」と思っています。

10月初旬に横浜でストロンチウムが1キログラムあたり200ベクレル程度、測定されるようになりました。データの真偽はこれから少しずつはっきりしてくるでしょうが、「えっ!ストロンチウムが!」と驚かれていますが、普通なら「えっ!ストロンチウムが今頃、観測されたの?」という方が常識的でしょう。

・・・・・・・・・

まず、防御法ですが、セシウム137は青酸カリより桁違いに猛毒ですが、ストロンチウムも猛毒で骨に蓄積し白血病の原因となります。ただセシウムより蓄積するところが限定されているので、さっそく防御をしましょう。

人間の骨は主としてカルシウムでできていますが、毎日、少しずつ溶けて少しずつ食品からのカルシウムで骨を作り直しています。普通の生活をしている人は1日200ミリグラム、寝ている人は1日400ミリグラムのカルシウムが尿中にでます。そこで、カルシウムを少し余分にとっておけば、ストロンチウムは骨に入りにくくなります。

骨は本当はカルシウムを必要としているのですが、カルシウムがなければ仕方なくストロンチウムをカルシウムの代わりに使うので、まだ学問的にははっきりしていませんが、自衛策がなかなかない中、カルシウムを一緒にとっておくのが良いと考えられます。

でも、困ったことがあります。太平洋の静岡から北の小魚は汚染されていますし、牛乳は危険で飲むことができません。従って、カルシウムをとるのは、日本海側の小魚、四国、九州、沖縄、海外の小魚、そして海外からの乳製品ということになります。でも、カルシウムが多い豆類などがありますので、情報をよく交換してお子さんがカルシウム不足にならないようにしてください。

・・・・・・・・・(検出されない理由)・・・・・・・・・

おそらくは横浜ばかりではなく、神奈川、東京から岩手までかなりの濃度でストロンチウムがあると考えた方が良いでしょう。チェルノブイリでもそうでしたし、もともとの性質を考えても「セシウムあるところにストロンチウムあり」と考えるべきだからです。

では、なぜ今まで検出されなかったのでしょうか? 私はやや犯罪の臭いを感じます。というのは、セシウムは「機器」を使って「人間が操作しなくても」測定できるのですが、ストロンチウムは混合物からストロンチウムだけを取り出してから測定します。だから、その操作の時に「ストロンチウムを故意に捨てる」ということは容易なのです。

かつての日本人はこんな誠意のないことはしなかったのですが、最近の大人の男は平気でします。なにしろ福島や関東の野菜を売るために汚染されていない南の野菜を捨てさせているぐらいですから、何をやるか判りません。

ある時に専門家が「ストロンチウムは重たいので東京まで来ない」などと言っていましたが、科学的な間違いです。おそらくは「そう言えばテレビに出してあげる」と言われて、他人や子供の健康より自分のことを考えたと思います。

日本はダメになってしまったのですから、外国で生活するように自衛することです。それには、1)ストロンチウムはセシウムがあるところはある、2)カルシウムをとっておけばかなり防ぐことができる、と覚えて自衛してください。国、自治体、専門家、NHKは信用できません。

(平成231013日)


武田邦彦


【放射能漏れ】汚染水、海に流出 福島第1、配管抜け ストロンチウムも
sam

http://sankei.jp.msn.com/life/news/120405/trd12040514060014-n1.htm

汚染水、海に流出 福島第1、配管抜け ストロンチウムも

東京電力は5日、福島第1原発にたまった汚染水を淡水化する装置と仮設タンクを結ぶ配管が抜け、高濃度の放射性ストロンチウムを含む汚染水約12トンが漏れたと発表した。
東電は、大部分が排水路を通じて海に流出したとみており、「海に流出させる事態となり、あらためておわびする」と謝罪した。

東電によると、漏れた汚染水には放射性セシウムも1立方センチ当たり16.7ベクレル含まれ、海につながる排水路の下流でもセシウムが検出された。東電はストロンチウムの濃度を調べている。


東電によると、5日午前1時5分ごろ、配管を流れる水の量が急上昇したため、装置を停止。
弁を閉めたところ漏れも止まった。配管が継ぎ目から抜けたことが原因という。

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