セシウム 137 セシウム 134
放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説
セシウム 137 とセシウム 134http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/Cs137vs134.html 「大放出」から半年近くが経った今、多くの地域での地面の汚染の主役は半減期 30 年の 137Cs と半減期 2 年の 134Cs になった。 セシウムだけとはいえ、これらは異なった核種なので、両者が混ざっていることで話が少しややこしくなる。以下では、2 種類のセシウムから出るガンマ線に関して簡単にまとめておく(すべて初等計算だが、ある程度の理科系の知識が必要)。 特に、除染をせず、また、セシウムがいっさい流れていかないとしても、放射線量は 2 年で当初の約 6割、3 年で約 5 割まで減ることがわかる(だから、除染の目標として「2年で半減」などというのは、ほとんど何もしないのと同じ)。
このページの目次由来と存在比
放射線の強さ(吸収線量率)
放射線の強さの減衰 由来と存在比137Cs と 134Cs は原発から放出され、あたりにまき散らされ、未だに地面にしっかりと付着している。 同じところから来た同じセシウムなのだが、その由来は随分とちがう。137Cs はウランの核分裂で生まれる。つまり核分裂生成物だ。 一方、134Cs はウランの核分裂では出てこない。 だから、たとえば原爆から出てきた放射性物質には137Cs は含まれているが 134Cs は含まれていない。
134Cs が出てくる理由は以下のとおり。 ウランが核分裂すると133Xe が生まれる。 133Xe はベータ崩壊して安定な 133Cs になる。 この 133Cs が原子炉の燃料の中に置かれていると、核分裂の際に出てくる中性子を捕獲して 134Cs になるのだ。 だから、134Cs の量は、原子炉がどれくらいの期間運転していたか、あるいは、使用済み核燃料がどれくらいの期間使用されていたかを反映する。
一般に、原子炉からでてくる 134Cs と 137Cs の放射能強度比、つまり
r =(ベクレルで測った 134Cs の量)÷(ベクレルで測った 137Cs の量)
は、0.4 から 1.5 の範囲に入る。 チェルノブイリの場合、この比は 0.55 程度だった(以上は、原子力資料情…
セシウム 137 とセシウム 134http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/Cs137vs134.html 「大放出」から半年近くが経った今、多くの地域での地面の汚染の主役は半減期 30 年の 137Cs と半減期 2 年の 134Cs になった。 セシウムだけとはいえ、これらは異なった核種なので、両者が混ざっていることで話が少しややこしくなる。以下では、2 種類のセシウムから出るガンマ線に関して簡単にまとめておく(すべて初等計算だが、ある程度の理科系の知識が必要)。 特に、除染をせず、また、セシウムがいっさい流れていかないとしても、放射線量は 2 年で当初の約 6割、3 年で約 5 割まで減ることがわかる(だから、除染の目標として「2年で半減」などというのは、ほとんど何もしないのと同じ)。
このページの目次由来と存在比
放射線の強さ(吸収線量率)
放射線の強さの減衰 由来と存在比137Cs と 134Cs は原発から放出され、あたりにまき散らされ、未だに地面にしっかりと付着している。 同じところから来た同じセシウムなのだが、その由来は随分とちがう。137Cs はウランの核分裂で生まれる。つまり核分裂生成物だ。 一方、134Cs はウランの核分裂では出てこない。 だから、たとえば原爆から出てきた放射性物質には137Cs は含まれているが 134Cs は含まれていない。
134Cs が出てくる理由は以下のとおり。 ウランが核分裂すると133Xe が生まれる。 133Xe はベータ崩壊して安定な 133Cs になる。 この 133Cs が原子炉の燃料の中に置かれていると、核分裂の際に出てくる中性子を捕獲して 134Cs になるのだ。 だから、134Cs の量は、原子炉がどれくらいの期間運転していたか、あるいは、使用済み核燃料がどれくらいの期間使用されていたかを反映する。
一般に、原子炉からでてくる 134Cs と 137Cs の放射能強度比、つまり
r =(ベクレルで測った 134Cs の量)÷(ベクレルで測った 137Cs の量)
は、0.4 から 1.5 の範囲に入る。 チェルノブイリの場合、この比は 0.55 程度だった(以上は、原子力資料情…